秋期講習会
東京会場とZoomの併用による開催
東京会場:早稲田大学早稲田キャンパス内11号館912教室(春夏とは異なります)。
1日目の講義終了後に講師との交流会を開催します(無料)。ご希望の方はあらかじめお申し込みください。
11月16日 12:00~14:00
白百合女子大学・東京外国語大学名誉教授
生涯発達支援研究所代表理事
田島 信元 先生
科目Ⅶ 生涯発達支援の観点から
読み聞かせ活動実践 のあり方を考える
保育、子育ての核心は相互の発達支援であり、大人と子どものやりとりを通して、ともに育ち合うという相互的な「越境的交流(相手の領域に入り込み、新しい知見を共有し合うやりとり)」が成立して初めて成り立つものである。本講は、その観点から、「保育、子育て=自分育て」を実践的に行う上で最も効果を挙げてきた「読み聞かせ活動」のあり方を、ロールプレイングの場で体験しながら考えることを通して、世代間交流の意義、生涯発達支援としての貢献について学んでいくと同時に、家庭や保育施設での実践のあり方について提言したい。
11月16日 14:15~16:15
白百合女子大学教授
お茶の水女子大学名誉教授
日本子ども学会常任理事
菅原 ますみ 先生
科目Ⅱ 小児期体験の長期的影響性
―幼児期の今を楽しく充実して過ごすことの大切さ―
近年の予防医学的な研究から、貧困や虐待、いじめなどの逆境的な小児期体験(Adverse Childhood Experiences: ACEs ) が成人期以降での心身の健康に影響を及ぼすことが明らかにされてきています。一方発達心理学の領域では、逆境体験のネガティブな影響を緩和する小児期の保護的・補償的体験( Protective and Compensatory Experiences: PACEs )に関する研究も進み、回復に関するレジリエンス研究が発展しつつあります。本講義では、 ACEsの悪影響から子どもを守るPACEsに関する国内外の研究について紹介するとともに、トラウマからの回復支援や、レジリエンスの中核となる養育者と子どもとの関係形成を支援するプログラムについて紹介し、幼少期での健康的でポジティブな体験の重要性について考えていきます。
11月17日 9:45~11:45
早稲田大学名誉教授
日本乳幼児医学・心理学会理事長
根ヶ山 光一 先生
科目Ⅵ 地域に開かれた子ども
―母子の隔たりと文化―
親子はいつも親密ではいられず、たえず近づきと遠ざかりをダイナミックにバランスさせて関係を調整しています。それは親と子のコミュニケーション力を養い、それを周囲のヒトとモノによるアロマザリング(母親以外が子育てに関与すること)の環境が可能にしてくれます。こういったヒトの子育ての本質を、ヒトと動物の子育ての比較や日英、都市部と離島の比較をふまえて、おとなと子どもの主体性の文化差の観点から考察します。
11月177日 12:45~14:45
大正大学教授 長谷川 智子 先生
科目Ⅰ 食と生活リズム
現代社会では、子どものいる家族の生活が多様化しています。人間の命を支える根幹である食は健康、栄養から注目されることがほとんどですが、家庭での生活リズムの影響、食産業の影響を大きく受けています。本講義では、はじめに幼い子どものいる家庭の食がどのように営まれているか、食産業などとの関連においてその実態をとらえます。次に、幼児の食が1日と生活リズムとの関連について見ていきます。最後に、このような実態を踏まえて、食と生活リズムに問題が生じている場合どのような支援が有効か考えていきます。
11月17日 15:00~17:00
理化学研究所理事
立命館大学 OIC 総合研究機構招聘研究教授
北海道大学名誉教授
仲 真紀子 先生
科目Ⅰ 子どもから「何があったか」を聞く技術
―司法面接の方法を参考に―
事件、事故、いじめ、校則違反など、「何があったか」を子どもに話してもらわなければならない場面は少なくありません。ここでは認知心理学、発達心理学の知見を踏まえた、事実確認のための面接法(司法面接)をご紹介します。司法面接で用いられるオープン質問は、親子の日常会話を豊かにするためにも活かすことができます。簡単な演習も行います。